大野木宙(ブルースタンバリン)

はじめまして、ブルースタンバリンというコンビでお笑いをやらせて頂いている。大野木と申します。
写真の右の方です。

今回は自分がお笑いに救われた話をしようと思います。

小学生の3、4年生の頃でした。
自分は
『死ぬ前に食べるなら何?』
という質問が大嫌いでした。
友達が聞いてきても
「わかんない」
「答えたくない」
と言っていました。
少しませていたのかもしれません。
しかし、ある友達がふざけて
『死ぬ前に投げるなら何?』
という質問をしてきました。
その質問が可笑しくって自分は笑ってしまい、とっさに
「ブーメラン」
と答えてしまいました。
これが大きな間違えでした。
その後、なぜかこの事(死ぬ前に投げるならブーメランということ)が心のどこかに残り続けていました。

月日は経って、6年生になりました。
その頃何かで
『人はいつ死ぬかわからない』
という話を聞きました。
子供ながらにそれはとても怖かったです。
死が怖かった僕は、急いでお母さんにブーメランを買ってもらい、投げてみました。
それで少し心が落ち着きました。
しかし、中学生になり、多感な時期となると死の恐怖はどんどんまして行きました。
初めは1日1回で満足していたブーメランも2回、3回、10回、20回、1時間 に10回、20回と増えていき、しまいには時間があるときは常にブーメランを投げる生活になっていました。
ブーメランも1個では足りず、2個投げてみたり、1個目を取ると同時に3個目を投げるといったお手玉みたいな状況にまでなりました。
「何故あの時"ブーメラン"と答えてしまったのか」
当時凄く悩みました。
"ナックルボール"と答えていればこんな事にはなりませんでした。
ナックルは投げるのが難しいし、爪がわれて投げられなくなるからです。
そして何より戻って来ないのです。
"投げたい物"ではなく"投げたい球種"にするべきでした。
ブーメランの1番悪い所は戻って来るところでした。
ブーメランの戻って来るという性質は、死の恐怖から来る強迫観念との相性が最悪でした。

そんなブーメラン漬けの毎日から救ってくれたのが、当時深夜にやっていたお笑い番組、オンエアバトルでした。
その時やっていたネタはどれも素晴らしく、死に怯え、ブーメランを投げていた自分を痛烈に皮肉ってくれました。
腹の底から笑いました。
心の底から笑いました。
その日、自分は死の恐怖に怯える毎日から解放されました。
次の日自分はブーメランを投げ捨てました!
ブーメランは戻ってきました。
今ではブーメランを捨てるためにブーメランを投げる毎日です。

最後に、ブーメランは広い所で、回りに気を付けて投げましょう!

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