『なんでも屋山崎猛太』8-3

第八話

「新たな時代」後編

パーティーズ 菅野ナオト



後ろを振り返ると赤いマントに仮面を付けた男がいた。


男が仮面を外すと、猛太は驚きと安堵を混ぜた表情をして一言


「吉田っち 生きてたのかよ、、」


加速した運命の歯車は、燃えるように光った。


ある夏の暑い日 セミの鳴き声がうるさく鳴り響いていた。


公園で、はしゃぎ回ることなくベンチで楽しそうな声をあげる二人の少年がいた。


「んじゃ次はオレのターンや!」


「よーし! こんな公園は嫌だ! どんな公園?」


「濡れババアまみれ!」


「あっはっはっ! そりゃ嫌だ! やっぱり猛太っちの、大喜利は最高だな!」


「せやで! ワシの大喜利は天下一や」


「さすが猛太っち! なぁ、猛太っち オレ夢があるんだ」


「なんやねん? 夢なんかでっかい夢叶えんとあかんで!」


「そりゃ、最高の夢だよ! しかもその夢には猛太っちもいるぜ!」


「なんやねん! 早く言えや!」


「その夢はね、、、、」


「ミーンミンミンミン」


ーーーーーーーーーーーー


「えぇー! レッド軍曹とミスターモウタは知り合いなんですのー!?!?」


真中田が驚きの表情を浮かべる。


赤色のマントをした男がゆっくり、猛太に近づく。


「猛太っち久しぶりだね 相変わらず元気そうだ」


「嘘やろ、吉田っちは28年前のあの事件で死んでるはずや どうゆうことや?」


吉田は淡々と答えた。


「確かに、オレはあの時死にかけたが、奇跡的に一命を取り留めた。


しかし記憶を失って何も覚えていなかった。名前も、過去も。


それからオレは、損という名前第2の人生を歩み始めた。


そこである時、運命の歯車が回り始めたんだ 私の息子によってね」


猛太はハッとした顔をする。


「損、損マサハル! 」


「そう 仕事に明け暮れていて、かまってあげれなかった息子が偶然頼った何でも屋に猛太っちがいた。

マサハルの監視役の私の部下が撮った写真で猛太っちの顔を見た瞬間 全てを思い出したよ。

記憶と使命をね、、、」


「そうゆう事なんか」


猛太はゆっくりと深呼吸をした。


「それから、6年の歳月をかけ私の全ての財産と技術を詰め込み、この王国を作ったのさ。 さあ! 猛太っち!大喜利バトルをしようじゃないか!」


「・・・、、 来い! 吉田っち! 」


「こんな帝国は嫌だ! どんな帝国?」


「大喜利ばかりする大喜利王国!」


「ぐっ! ぐぁあああ!」


猛太が大喜利を答えた瞬間、吉田は倒れこみ体がゆっくりと溶けていく。


「吉田っち!」


猛太がかけより、吉田の体を抱き締める。


「さすが、猛太っちだ オレの夢が叶うよ」


「なんでや! なんでお前が死ななくちゃあかんねん!」


猛太は泣きながら怒鳴り付ける。


「これはオレの28年前の事件の罪滅ぼしと、そしてここからは夢の果ての物語 。この世界を任せた 猛太っち」


「吉田っち、、、」


そう言い残すと、吉田の体は跡形も無く消えていった。


ーーーーーーーーーーーー


「ミーンミンミンミン」


「オレの夢は大喜利王国を作って、その国の王様に猛太っちになってもらうんだ!」


「なんやその夢! おもろそうやんけ!」


「だろ!」


「ハハハハハハハハハハ」


ーーーーーーーーーーーー


「軍曹ーーーー、うぇーーーん」


真中田が膝から崩れ落ち泣きじゃくるっている。


地面に落ちている、赤いマントと、仮面を猛太は拾い上げ、自らに装着し、砲口した。


「我こそが、このフルスイング帝国の王

山崎猛太である!」


新たなる時代が幕を開けた。



続く

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